7月10日(土)21世紀の渋谷区を南北にあるく 第2回 神と小川とデザインと編

第501回 2021年7月10日 開催場所 渋谷区

ロンちゃんの渋谷シリーズ第2回目です。JR代々木駅西口をスタート、駅前の明治神宮北参道口の碑の 横を通りすぎ、参道を緩やかに下っていきます。そのまま 神宮の杜の手前で、江戸時代に玉川上水から導水された原宿村分水が2本流れていたことをお話しし、その分水のトンネル跡が、山手線などの線路の下にあることを視認いただきました。その後、道路にまつわる内苑と外苑の結びつきも遺構を含め現場で確認。神宮内苑では『渋谷川ルネッサンス』の石井事務局長から渋谷川や渋谷区の地理や歴史について貴重なお話を伺いました。神宮の武道場で遠くから弓を引く方々を拝見しつつ、西鳥居から退出。参宮橋から西参道を進みつつ、唱歌『春の小川』の作詞者 高野辰之の旧居跡へ伺うとそこには驚きの事実が。そこから代々木駅方面へ進む道は下りの坂道で、昔は そこに先ほどの分水が2本 並行して神宮方面へと流れていました。さて 西参道方面へと戻って、なだらかな坂道を下っていくと、今は細かくマンションや雑居ビル、個人住宅が立ち並んでいますが、明治から大正 昭和にかけて ここら辺は 旧土佐藩の藩主であった山内侯爵家の御屋敷があった場所でした。そして坂の底辺こそ 御屋敷にあった池のあった場所と言われています。ここが 河骨川、春の小川の水源地。ここから暗渠暗渠沿いに道標として設置されている渋谷川ルネッサンスによる『春の小川』の電柱広告は元の水源の場所を しっかり示しています。そこから住宅地を通り抜けた旧河道は、いよいよ暗渠となって その姿を現しますが、途中 すぐに見えてくる坂道が、麗子像で知られる岸田劉生が描いた国立近代美術館収蔵の重要文化財『道路と土手と塀(切通之写生)』のモデルとして描かれた坂。ということで、皆で現在の景色と絵を見比べました。別の角度からの 劉生の描いた絵もあって、それも皆に見ていただきました。そのまま暗渠を進むと、ただ蓋をしただけの場所は その痕跡もあって興味深く、土管に変わる場所も きちんとそれが分かるようになっています。気づくと小田急線の線路にぶつかりますが、ここで終わりではありません。線路を渡った先に、意外な姿で 河骨川の暗渠は現れます。それが「暗渠」というものの理解の一助になったとすれば幸いです。また、その近くの某建築事務所では 戦争と建築について重い話もさせていただきました。暗渠ばかりじゃ飽きてしまうかなというの事もありましたけど、知られざる事実を識っていただきたいという想いもありました。そこから小田急の線路に沿った暗渠を進んでいくと、春の小川の記念碑へ出ます。記念碑の向かい側には「THE TOKYO TOILET」プロジェクトのデザイントイレ『はるのおがわコミュニティパークトイレ』が顔を見せ、そのすぐ近くにあるのが『代々木深町小公園トイレ』。どちらも鍵をかけないと、壁面が半透明なままのため、注目を集めてしまいますが、もともとの趣旨は夜でも安心して使用してほしいということでしたが、今や ちょっとした観光地のよう。その後、宇田川と河骨川の合流地点を通り、何軒かのお店を紹介しつつ ランチ休憩に突入。午後は宇田川と、その支流である初台川との合流地点を確認したのち、代々木八幡宮に伺い、その別当寺だった福泉寺の境内から谷戸の眺望を愉しみます。そこから 初台川の旧河道を進み、初台橋跡から暗渠の上を歩いていきます。途中 住宅に阻まれて 横へ逸れ、坂道を上った先には高級住宅地がありました。今度はまた下って、とうとう出逢ったのが 初台川の源流のこんな形でという姿。ただ通っただけではおそらく分からないですよね。お連れした皆さまの反応を見れば 本当に良かったなぁと思いましたよ、してやったりです。そこからほど近くにあった玉川上水の影響もおそらくあったのではないかという話も早々に、その場を離れ、もともとの水源跡へ移動した後、近くの某コンビニで避暑を兼ねて休憩です。そこから甲州街道へ向かい、最後のデザイントイレ『西原一丁目公園トイレ』を観たあと、最後の目的地『宇田川の水源』へ。そこは もともと さる食品メーカー創業家の屋敷地だった場所、今も緑の多い森のなかで まんまんと湧水を蓄えた池がありました。そこから始まる流れは、水源の出口から ほぼ全て暗渠になってしまうのが本当に残念なのですが、致し方ありません。近接する公園の地下を通って、渋谷区西原の町を進んでいく宇田川の暗渠は元代々木町を通って、代々木八幡駅の踏切付近で初台川と合流します。というところで、今回はゴール。想定外の暑さで、スイーツや建築は あまりご紹介できませんでしたが、そちらはまたの機会に紹介します

JR 代々木駅西口広場 → 明治神宮 北参道口の碑 → 日本ナレーション演技研究所 → 玉川上水 原宿村分水暗渠 → 玉川上水 原宿村分水トンネル跡 → 日本鉄道 裏参道ガード(現 JR東日本 裏参道ガード)→ 渋谷区立裏参道児童遊園地 → 内外苑連絡道路(明治神宮 裏参道)跡 → 神社本庁 → 明治神宮内苑 → 北池 → 亀石 → さざれ石 → 明治神宮宝物殿 → 明治神宮 武道場 至誠館 → 渋谷区立ポニー公園 → 東京乗馬倶楽部 → 首都高速4号新宿線 参宮橋カーブ → 明治神宮 西参道 → アートネイチャー本社ビル → たかの友梨ビューティクリニック本社ビル → 高野辰之旧居跡 → 春の小川水源地跡(河骨川水源地跡)→ 春の小川 電柱広告(by 渋谷川ルネッサンス)→ 切通しの坂(岸田劉生作「道路と土手と塀(切通之写生)」のモデル)→ 河骨川暗渠道 → 河骨川暗渠 小田急線線路下 地下埋設管出口 → レーモンド設計事務所ビル → 春の小川記念碑 → はるのおがわコミュニティパーク トイレ(坂茂 設計)→ 代々木深町小公園 トイレ(坂茂 設計)→ 宇田川・河骨川 合流地点 → カカオストア → 八幡湯 → 365日 → ランチタイム → 劇団青年座 → 宇田川・初台川 合流地点 → クレアトゥール(坂茂 設計)→ 代々木八幡公衆トイレ ・7月17日使用開始予定(伊東豊雄 設計)→ 代々木八幡宮 → 代々木八幡遺跡 → 天台宗 福泉寺 → MYG CASE GALLARY(新関謙一郎 設計)→ 初台橋跡 → 初台川暗渠 → 初台川(初台支流)水源 跡 → 京王線 幡代駅跡 → 西原一丁目公園トイレ(坂倉竹之助 設計)→ 幡ヶ谷3号踏切 → 宇田川 水源地 → 渋谷区立代々木大山公園 → 宇田川暗渠 → 宇田川・初台川 合流地点 → ゴール(小田急 代々木八幡駅前)

ランチ 代々木八幡駅周辺で個々に
打ち上げ 代々木八幡駅周辺で有志ごとに